守りさえすれば、ずっと守られると信じていた。
それが鳥かごのようであったとしても自分の幸せの形だと思っていた。
壊れることなどないと思っていたわたしの幸せ。
わたしの手から大空へ飛び立った青い鳥は自由に空を飛び回り、残されたわたしは自由が分からず一人ぽつねんとたたずむ。
世界が終わったこと。
自分の力で生きなければいけなくなったこと。
頭では分かっているけれど、気持ちがついていかない。
先が見えない状況に笑うしかない。
大樹を失ったわたしは濡れそぼり、不安に身を震わせる小さな小鳥。
頭に浮かぶのは、お金、家。
不安とともに始まるわたしの第二の人生。
あーあ、人よりも困難が多いわたしらしい。
トビアスの旅を見守った大天使ラファエルが、わたしの旅をサポートするためにあらわれてくれたよう。
どこに繋がるのか分からないこの道だけど、とことこ歩いてみよう。
ローマがわたしを待っている。