『悲しくてやりきれない』を口ずさんでいたあの頃。
わたしに救いはなかった。
右を見ても、左を見ても、空を見ても、何も、誰も答えてはくれなかった。
あの日から今日まで、どうやって過ごしてきたのか記憶にない。
ただ毎日が必死だった、それだけ。
悲しみの淵から抜け出るため、もがいてあがいて。
心折れるたびに涙を流し、自分を責めた。
希望は自分で見つける。
誰も与えてくれない。
そんなことすら、あの頃は分からなかった。
涙がかれた頃に希望が見つかったのか、希望が見つかったから涙が止まったのかは分からないけれど、これがわたしの救いになった。
そして、過去は振り返らないと決めた。
まだ自分に自信が持てるわけではないし、以前のわたしにも戻れない。
それでも、わたしは前だけを見つめる。
今のわたしと共に歩み続ける。