春と言えばものごとの始まり、一年で一番希望に溢れている。
それなのに、わたしの心には真冬のように重苦しい雲がどんよりと垂れ込める。
この心を癒さない限り、わたしに春は訪れない。
悲しみに意識を向けている限り、悲しみの時間はいつまでも終わることなく続き、わたしはとめどなく涙を流す。
どこかで意識を変え、目を向ける方向を変えることでしかこの状況からは抜け出せない。
気持ちが塞いでいても、太陽の光を浴びると少し元気になる。
その繰り返しで、少しずつわたしを取り戻していくしかないのかもしれない。
秋風を感じると、切なくなる夏の終わり。
木々が秋色に変わり、一年の終わりを予感させると同時に実りがもたらされる秋。
今のわたしは、この季節の変わり目にいる。